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存在・主張・調和、
そして…気楽さが創作心得

●作品創作において気をつけている点は何ですか?

「高取焼」は茶陶としての生い立ちから、今も多くの茶人に愛され、茶会や日常のお点前においても、その中で重宝されています。しかし、多くの茶器の中でどのように自分の作品が存在し、主張し、かつ調和するかが最も気にかかることです。お茶の世界はそこに宇宙を作るがごとく、無限の空間が広がります。しかし、ピンとはりつめた中で、自分の居場所と他人の居場所が確保されている、お茶の世界では「取り合わせ」といいますが、組み合わせが構築されていることが大切です。存在が調和の中にあることが、良い作品なのです。また、出来上がりをイメージすることは当然ですが、他のお茶碗とのバランス、つまり大きさを意識します。高取焼はそれ一つでポツンと使うことはありません。逆に、まず棚で使い、お茶席で使い、そこに置かれて・・・と様々な場面で相手に自分を合わせることが求められます。現在、大きな茶会では、なかなか新しい「茶入れ」を使うということがなく、古いものと新しいものの調和をどのようにとるかが、制作にあたっての大きな課題となります。

●これからの碧山さんの役割は?

現在、ゆったりしているが気は張っている状態です。私も60歳を目処に強く自分を主張した作品作りに取り掛かろうかなとも考えています。古い内ヶ磯のように雄大な作風が好きです。しかし、これからの若い作家や皆に言いたいのは「自分の作風を意識しながらも伝統を重んじることの大切さ」と「ひとつの作品に自信を持つこと」を強く意識して欲しいと言うことです。もの作りというのは、あと一歩踏み出すのがとても難しいもので、特に伝統的技法や歴史の重圧に耐えながら行う創作活動は孤独なものです。蹴轆轤(けろくろ)から電動轆轤へと変化してきましたが、伝統的技法は電動ではだせない味わいがあり、これを継承していって欲しいのですが…。電動轆轤によって作風も変わってきていますが、伝統的技法とその味わいだけは失いたくありません。若い作家には「とにかく轆轤に座れ!」といいいたいです。また、これからは、私たちが後継者育成に取り組むことも必要でしょう。


鬼丸碧山のプロフィール